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営業代行と自社採用、どちらを先に動かすべきか?意思決定の判断軸を整理する

営業代行と自社採用、どちらを先に動かすべきか?意思決定の判断軸を整理する

「営業を強化したい」と考えたとき、多くの経営者が最初に迷うのが「人を採るべきか、外注すべきか」という問いです。

この問いに対して、「費用だけで比べればいい」と思っていると判断を誤ります。採用と外注は、コストの構造も、動き出すまでの期間も、リスクの性質もまったく異なるからです。

本記事では、1人採用した場合と外注(営業代行)を使った場合を、費用・立ち上げ期間・リスク管理の3軸で整理します。「どちらが安いか」ではなく、「今の自社にとって何が合理的か」を判断できる情報をまとめました。

読者の多くは、月次の数字に責任を持つ経営者や営業責任者の方だと思います。検討の精度を上げるための材料として、ぜひ最後まで読んでみてください。

「1人採用する」とはどういうコスト構造なのか

営業担当者を1人採用する場合、見えやすいコストと見えにくいコストが存在します。多くの経営者が「月給+社会保険料」だけで計算してしまいますが、実際の負担はそれより大きくなります。

2026年の相場で整理すると、中途採用で営業経験者を採用しようとした場合、求人媒体への掲載費用だけで20万〜50万円程度かかります。人材紹介会社を使えば、採用成功報酬として年収の30〜35%が発生するため、年収350万円の人材であれば初期費用だけで100万円を超えます。

入社後のコストも積み上がります。月給25万円の社員を1人雇った場合、社会保険料の会社負担分(約15%)を含めると、月々の実質負担は29万円前後になります。年間に直すと約350万円。これに交通費・備品・研修費・管理コストを加えると、年間400万円を超えることも珍しくありません。

さらに見落とされがちなのが「立ち上げにかかる時間」です。営業担当者が採用されてから独り立ちするまでには、最低でも3〜6ヶ月が必要です。業界知識のインプット、商材理解、トークスクリプトの習得、ロールプレイングによる練習、そして実際の商談経験を積む期間を経て、ようやく成果が出始めます。

つまり、採用を決めてから売上への貢献が出るまでには、最短でも半年、現実的には1年近くかかると考えておく必要があります。その間、コストだけが積み上がります。

採用はもう一つのリスクも抱えます。早期離職です。採用から3ヶ月以内に退職が起きた場合、再度の採用費が発生し、立ち上げ期間もリセットされます。これが繰り返されると、人件費だけでなく組織の疲弊も加速します。

「外注(営業代行)を使う」とはどういうコスト構造なのか

固定型と成果報酬型

営業代行の費用体系には主に2種類あります。固定型と成果報酬型です。

固定型

固定型は、稼働人数やアポイント数に応じて月額固定の料金が発生します。2026年現在、インサイドセールス(テレアポ・メール営業)を中心とした固定型プランの場合、月30万〜80万円程度が相場です。フィールドセールス(商談同行・提案まで対応)を含む場合は月50万〜150万円程度になります。

成果報酬型

成果報酬型は、アポイント1件あたり1万5,000円〜3万円、受注1件あたりで料金が発生するモデルです。初期費用を抑えやすい反面、質の低いアポが量産されるリスクがあるため、選定時に注意が必要です。

採用との大きな違いは「稼働開始までのスピード」です。営業代行は契約から稼働まで、通常2〜4週間で動き始められます。すでに営業ノウハウを持つプロが動くため、立ち上げ期間のロスが採用に比べて圧倒的に短い。

また、不要になれば契約を終了できます。採用の場合、解雇には法的リスクと感情的コストが伴いますが、外注であれば契約期間の満了や解約条項に基づいて関係を終了できます。事業の状況に合わせて営業リソースを調整できる点は、中小企業にとって大きなメリットです。

一方でデメリットもあります。自社にノウハウが蓄積されにくい点、担当者の入れ替わりが起きうる点、料金の割に成果が出ない場合があること、そして自社の商材・文化への理解に限界がある点です。営業代行を使う際は、これらのリスクをどう管理するかが重要になります。

費用と立ち上げ期間を並べて比べると見えてくること

ここで、具体的な数字を使って比較してみます。前提条件は「営業担当者1名分の戦力を確保したい中小企業が、外部から営業力を調達しようとしている」ケースです。

【採用の場合(1人・年収350万円想定)】

採用費用(人材紹介):約100万円/採用確定時
月次コスト(給与+社会保険):約29万円/月
年間コスト(採用費含む):約450万円
成果が出始めるまでの期間:入社から6〜12ヶ月

【営業代行の場合(固定型・月50万円想定)】

初期費用:0〜20万円程度(会社によって異なる)
月次コスト:約50万円/月
年間コスト(初期費含む):約610万円
成果が出始めるまでの期間:稼働から1〜2ヶ月

単純な年間コストだけを見ると、採用のほうが安く見えます。しかしこの比較は正確ではありません。

まず、採用の場合は成果が出るまでの6〜12ヶ月間、コストだけが発生し続けます。この「空白期間」に失われる売上機会は数字には現れませんが、実際のビジネスインパクトは大きい。

次に、採用担当者が動けるようになるまで、既存の営業メンバーや経営者が教育・管理に時間を使わなければなりません。このコストも見えにくい負担です。

一方の営業代行は、稼働開始が早く、アポイントや初期接触は比較的早期から動きます。ただし、深い提案・クロージングには限界があるケースもあり、受注まで自走させるには社内との連携設計が必要です。

結論として、短期で成果を出したい・採用リスクを避けたい・コスト変動を柔軟にしたいという場合は外注が合理的です。一方、長期的に営業組織を育てたい・商材の専門性が高くて外部では対応困難・コストを中長期で下げたいという場合は採用が合理的です。どちらが正解かは企業フェーズによって変わります。

意思決定を間違えやすい3つのパターンと、判断の分かれ目

現場でよく見られる判断ミスを3つ紹介します。自社がどのパターンに近いかを確認してください。

【パターン1:採用してから外注を使う】

「まず採用して、手が回らなくなったら代行を使おう」という順番は、コストが二重になります。採用した担当者が立ち上がるまでの間、別途外注を使い続けることになり、月次負担が重くなります。スタートアップや立ち上げ期には特に注意が必要です。

【パターン2:成果報酬型だから安心と考える】

成果報酬型は一見リスクが低く見えますが、アポイントの質が担保されない場合があります。「アポは取れるが受注につながらない」という状態が続くと、自社の営業担当者の時間が無駄になり、疲弊します。報酬体系だけで判断せず、代行会社の実績と質の管理体制を確認することが重要です。

【パターン3:外注で結果が出たら採用に切り替えればいい、と思い過ぎる】

外注で構築したノウハウや顧客接点は、契約終了とともに失われることがあります。代行会社が動いている間に、社内にノウハウを蓄積する仕組みを並行して作らないと、切り替え後に成果が落ちる可能性があります。外注は「仕組み化の時間を買う手段」として使うのが理想です。

判断の分かれ目として、以下のチェックを使ってみてください。

・今すぐ動く必要があるか? → あるなら外注が先
・採用した後に教育できる人材・時間があるか? → ないなら外注が現実的
・自社の商材説明に特別な専門性が必要か? → あるなら採用か、教育コストをかけた外注
・3年後に社内に営業組織を持ちたいか? → 持ちたいなら採用を早めに並行して動かす

営業代行を選ぶなら、何を基準にするべきか

外注を選ぶと決めた場合、代行会社の選定が成否を分けます。料金と実績だけで選ぶと失敗しやすい。以下の観点を確認することを推奨します。

まず「業種への理解度」です。BtoB営業・製造業・IT・サービス業など、自社の業界に近い案件経験を持っているかを確認してください。営業のノウハウは業種によって異なります。

次に「担当者の固定制」です。担当者がコロコロ変わる代行会社は、商材理解が深まらず、クオリティが安定しません。専任担当者がいるかどうかを契約前に確認しましょう。

また「レポートの頻度と内容」も重要です。何件架電して、何件アポが取れて、どんな反応があったかを定期的に共有してくれる会社は、改善サイクルを一緒に回せます。

さらに「契約の柔軟性」も確認が必要です。最低契約期間が長すぎる会社は、合わなかったときのリスクが大きい。短期で試して延長できる柔軟な体制があるかを事前に確認してください。

静岡県内で営業代行を検討している場合、地元に根ざした会社に相談することで、地域特性を踏まえた提案が受けやすくなります。静岡を拠点に中小企業向けの営業支援を行う株式会社momentは、インサイドセールスから商談支援までをサポートする営業代行会社です。「まず相談したい」「費用感を確認したい」という段階からでも対応しており、自社採用と外注のどちらが合っているかを一緒に整理したい方にも相談窓口として活用できます。

まとめ:「安さ」より「タイミング」で判断する

採用と外注を比較するとき、多くの人が「どちらが安いか」を基準にします。しかし本記事で整理してきたとおり、コストの構造・立ち上げ期間・リスクの性質はまったく異なります。「安さ」だけを比べると、判断を誤ります。

2026年の環境では、採用難・即戦力不足・教育コストの高騰が続いており、外注の活用は以前より現実的な選択肢になっています。一方で、長期的に営業組織を内製化したい会社にとっては、採用の先送りがリスクになることもあります。

重要なのは「今の自社フェーズに何が合っているか」を判断することです。急ぎの案件があるなら外注で動き出す。採用後の教育を回せるリソースがあるなら採用を検討する。外注で仕組みを整えながら、並行して採用準備を進めるという組み合わせも有効です。

どちらが正解かは決まっていません。ただ、「何もしない」だけが確実に機会を失います。まず動ける手段から着手することが、成果への最短経路です。

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